行政や地方自治体が活用するガバメントクラウドファンディングとは?

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クラウドファンディングの特徴の一つに「誰でもプロジェクトを起案し、サイトで支援を募ることが可能」という点があります。そのため、民間人や一般企業だけではなく、行政や地方自治体などがクラウドファンディングを活用するケースが増加しています。
自治体がクラウドファンディングを活用した様々な取り組みがある中で、ここ数年はふるさと納税と融合した「ガバメントクラウドファンディング」が注目され、人々の人気が寄せられています。

今回は公的機関によるクラウドファンディングのうち、ガバメントクラウドファンディングに焦点を当てて述べていきたいと思います。

ガバメントクラウドファンディングの主な特徴として、

  • 地方自治体がプロジェクトの起案者となって寄付金を募り、支援者は寄付した金額が翌年の住民税から控除されるシステムです。
  • 支援者はその地域の特産物や工芸品などをリターンとして受け取ることができます。
  • 起案者は基本的に地方自治体のため、支援者は安心して寄付ができます。

そのため起案者は高額プロジェクト企画可能で成功事例も多くあります。多くの人々が積極的に参加することで、地方の伝統工芸を盛り上げ、また災害復興や地域の発展に貢献できます。自治体にとっても支援者にとってもお互いに良いところ取りのガバメントクラウドファンディングはここ数年とても注目を集めています。ここでは、ガバメントクラウドファンディングに関わる4つの事例を紹介いたします。

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かまくら想いプロジェクト(JAPANGIVING)

  • 鎌倉市観光商工課が起案し、寄付型クラウドファンディングの最大手JAPANGIVINGを介して立ち上げたプロジェクトです。
  • 募った寄付金は鎌倉の観光ルート板や名所掲示板の新設に充てられます。1口1万円で寄付を募り、寄付者の名前がルート板や掲示板に掲載されます。
  • 2013年から始まった同プロジェクトは第3弾まで企画し、これまでに旧鎌倉地区、大船地区の観光ルート板や地区案内板などを多数設置することに成功しています。
  • 「歴史のまち」、「武家の古都」と呼ばれ多くの人々から愛されている鎌倉市は、世界遺産登録を目指していることもあり、同プロジェクトを通して今後観光地としてのさらなる発展を図っています。

 

福島県の高野病院の支援(ReadyFor)

  • 2017年1月に福島県広野町が起案しました。
  • 東京電力福島第一原発からほど近い高野病院は、事故後も町で唯一診療を続け、院長の高野英男氏は避難が難しい高齢の入院患者や救急患者の対を応していました。しかし、高野氏は2016年火災事故で亡くなり、病院の存続が困難になりました。
  • そこで広野町が立ち上がり、ボランティア医師の派遣の協力を呼び掛け、集まった寄付金は医師たちの交通費や宿泊費に充てることにしました。
  • 目標金額(250万円)を大きく上回る894万円を募ることに成功し、同病院の存続に加え、広野町や双葉地方の広域に渡る地域医療を支えることができるようになりました。
  • 現在も広野町と医師たちが一丸となって医療体制を維持しています。

 

「1型糖尿病」の根治に向けたセンター設立(ふるさとチョイス)

  • 佐賀県のNPO法人と日本IDDMネットワークが起案しました。
  • 不治の病とされている1型糖尿病の根治を目指して、国立国際医療研究センター(東京都新宿区)内に「細胞加工センター」を設立するプロジェクトです。
  • 目標金額は7、000万円で現在達成率99.7%です。(2017年3月21日現在)
  • リターンは健康グッズなどの糖尿病患者向けのものと佐賀県の名産品から選べます。

 

岡山県真庭市のインターナショナル・シェアハウス(JAPANGIVING)

    • 岡山県に移住した地域おこし協力隊(※)によるプロジェクト

※地域おこし協力隊とは…過疎化や高齢化等で悩む地方に地域外の人材を受け入れ、地域活動をはじめ、定住・定職を図ることで、地域力の発展、向上を目指すことを目的に総務省が立ち上げた制度です。2015年度現在2、625人の隊員が様々な地域で活動し、その中にはクラウドファンディングプロジェクトを立ち上げている隊員も多くいます。

  • 同プロジェクトは「コスモポリタン田舎づくり」をコンセプトに海外から来た若者やアーティストを対象にシェアハウスに滞在し、地元文化や人との交流を図り、真庭市の活性化を図ることを目的に企画されました。
  • リターンとして地元住民が作ったオリジナルキムチや真庭市の特産品、シェアハウス宿泊券などが受け取れます。
  • 目標金額(330万円)を上回る442.8万円を募ることに成功しています。
  • 起案者である地域おこし協力隊の人柄や熱意、そして真庭市のサポートがプロジェクトの成功を牽引しました。

8/22 追記

FAAVOさばえ×ネオプラグ付メガネ

2014年、福井県鯖江市が国内初となる”行政のクラウドファンディング事業”に本格的に参入し、同年12月より鯖江市がエリアオーナーとなって『FAAVOさばえ』の運営を行なっています。「FAAVOさばえ」は、2017年8月現在までに、22個のプロジェクトを実施しており、その全てが目標金額を上回っています。なかでも鯖江市の魅力を存分にPRするきっかけとなった『ウェアラブルデバイスの新着脱機構“ネオプラグ”付メガネ』は、同プラットフォームでは最高となる370万円の支援額を集めました。

メガネフレームのデザインと企画を行なうボストンクラブ(所在地: 福井県鯖江市)は、メガネとデバイスを連結させるスライド式着脱機構「neoplug(ネオプラグ)」を独自開発し、その普及・量産化を目指して、本プロジェクトを立ち上げました。鯖江市は日本のメガネフレーム生産96%のシェアを誇っているため、確かな信頼と実績を兼ね備えています。そのため、多くのサポーターからの手厚い支援を受けることができ、成功に結びついたのです。現在も鯖江市は「メガネの聖地」と呼ばれ、世界シェアでも約20%を占めています。neoplugの登場により、今後ますます鯖江発のメガネが発展を遂げていくと期待されています。

 

セキュリテ×UTSUWA美

セキュリテ』は、ミュージックセキュリティーズ株式会社が運営する投資型(少額投資)のプラットフォームです。もともとアーティスト発掘のために資金を募っていましたが、東日本大震災後の支援で成果をあげて以降、地域活性化に資する事業への支援を拡大し、現在では多くの自治体や地域企業等がセキュリテ内でふるさと投資を募っています。

そんな「セキュリテ」を通じて、2015年に実施された『有田焼 UTSUWA美ファンド』では、創業400年の歴史をもつ有田焼の素晴らしさを伝えることを目的に、有田焼の伝統技術と特許技術を併せ持つ「UTSUWA美」の販売を行ないました。このプロジェクトは、通常のクラウドファンディングとは違い、「クラウドファンディング利用促進事業補助金制度」を導入しており、クラウドファンディング運営サイトを活用し、資金調達をすれば、経費の一部(最大81万円)を補助するといった内容です。自治体による協力もあり、本プロジェクトは目標金額の1,710,000円を超える資金調達に成功。また、近年では海外メディアでも取り上げられる有田焼ですが、このプロジェクトをきっかけに、さらなる人気と需要を手にしています。

 

Readyfor×夕張市の図書館

北海道夕張市では、クラウドファンディングを活用して地域の活性化等のために、自主的なプロジェクトを実施する市民及び市内の団体を応援する活動を行なっています。その代表的なプロジェクトが、2014年に『Readyfor』を通じて行なわれた『北海道夕張市の子どもたちへもう一度本でいっぱいの図書館を届けたい!』です。

2007年に財政破綻した夕張市では、現在、小中学校はそれぞれ1校を残し、すべて廃校となりました。そんな思い出の詰まった学校が、地域の方が気軽に集まる場所へと生まれ変わるための図書館を作るというプロジェクトです。ただし、その新たに図書館を設置するための本や本棚が不足しているため、それに必要な1,800,000円を募りました。その結果、127人のサポーターより1,944,000円の資金調達に成功し、2014年5月に図書コーナー設置が無事に完了。また、リターンには夕張メロンを使ったゼリーや、優クラスの夕張メロンなど、夕張特産を生かした返礼品が話題となりました。

 

まとめ

ガバメントクラウドファンディングのプロジェクトのオーナーは基本的に行政や地方自治体ですが、その背景にはたくさんの人々のニーズや夢が存在しています。地方自治体、そしてそこに住む人々の希望が集まった時にガバメントクラウドファンディングは力を発揮し、たとえ高額プロジェクトでも成功へと導くことができるのです。また地方自治体と地域住民との信頼関係に厚みを築くきっかけにもなり、地域の発展、向上に貢献できます。ガバメントクラウドファンディングプロジェクトには地域活性化の支援のみならず、医療支援や社会貢献度の高いものも多く存在し、事例2や3のように支援者は多くの命を救う手助けができることも実感できます。さらに支援者は寄付した分だけ納税控除され、同時に充実したリターンを受け取ることができ、お互いにメリットが多いのがガバメントクラウドファンディングの最大の強みといえるでしょう。

参考

1. かまくら想いプロジェクト
http://japangiving.jp/c/9231

2. 高野病院の支援
https://readyfor.jp/projects/hirono-med

3. 「1型糖尿病」根治に向けたセンター設立
https://www.furusato-tax.jp/gcf/77

4. 岡山県真庭市のインターナショナル・シェアハウス
https://www.furusato-tax.jp/gcf/74?utm_source=join&utm_medium=alliance&utm_campaign=1604maniwa01

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