G7 伊勢志摩サミットにて、「乾杯」を華やかに彩った日本の伝統美。
- 伊勢志摩サミットのワーキングディナーでは、三重県の代表的な食材を用いた多彩な料理や銘酒が振る舞われました。また、食器類は日本を代表する陶器など美しい工芸品が使われ、中でも乾杯の酒杯は桜や松竹梅を盛絵として施し、男性の盃にはプラチナ彩松竹梅文様を、女性の盃には金彩桜文様を焼き付けた最高級の萬古焼作品が選ばれました。海外の方々を意識して日本の自然美をデザインしたこの酒杯は、料理の美味しさとともに目を楽しませ、会話を弾ませるという大きな役割を担っていたのではないでしょうか。
300年の歴史を受け継ぐ、三重・四日市の伝統工芸品「萬古焼」。
- 桑名の有力な陶器問屋であった沼波家が江戸時代に作り始めた焼き物に、「萬古」「萬古不易」という文字を刻印したことが始まりと言われる「萬古焼(ばんこやき)」。「萬古不易」とはいつまでも変わらないという意味を表します。1979年(昭和54年)には経済産業大臣指定伝統工芸品に指定され、三重県四日市市の代表的な地場産業となっています。「萬古焼」は陶器と磁器の間の性質を持つ半磁器に分類される製品が多くありますが、急須や耐熱性に優れた土鍋が代表的で、とくに急須は古くからつくられる紫泥急須でよく知られています。粘土を無釉で限界まで焼き上げる焼〆技法によりお茶が美味しく出ると言われてきました。
継承すべき伝統に斬新な装飾を加えて、時代とともに進化していく醉月陶苑。 三重ブランドにも認定されています。
醉月来歴
- 昭和19年 四日市に生まれる
昭和51年 日本伝統工芸展初入選(以後26回)
平成2年 天皇陛下献上(即位の礼)
平成11年 皇太子殿下献上
平成19年 四日市市産業功労者表彰
平成21年 台湾国立博物館収蔵
平成23年 日本橋三越本店 特選画廊個展
平成23年 四日市市文化功労者表彰
平成27年 ミラノ万博「三重ウィーク」出展
平成28年 三重県文化大賞受賞
- 約300年の歴史ある萬古焼。その伝統を守り育んできた醉月窯。3代目となる〈醉月〉、妻〈きし代〉、そして2人の息子〈潤〉と〈潮〉。伝統工芸の卓越した技に生涯をかけ、何世代も大切に使い続けられる品性ある器を作るため、日々努力しロクロを回しています。
萬古焼の渋さに絵師・きし代の優しい盛絵が加わると、可憐な印象の焼き物になります。
- 萬古焼の伝統技法のひとつに盛絵があります。盛絵は熟練を要する萬古焼独自の技法で、焼成後、作品の上に陶磁器用盛絵の具を細い筆で二度三度と繰り返し盛り上げ、さらに焼き上げます。すべてが手作業であるため、同じ絵や文様であっても少しずつ表情が異なり、世界で一品の製品となります。醉月窯では醉月の妻、きし代が40年近く上絵付けに専念し、盛絵技法の第一人者として後継者育成に尽力しています。伊勢志摩サミットで使用された今回の酒杯もきし代の盛絵で彩られています。
慶びの宴に華を添える金、プラチナの高台と、日本の自然を主題とした華麗な盛絵の盃。
- 伊勢志摩サミットで使用された酒杯は四日市萬古焼の紫泥・盛絵の伝統技法を生かし、現代に調和することを目指してつくられました。成型は醉月がロクロで手造りし、半乾燥時に削り磨きを施します。形態は高台付きで、寸法は口径80㎜高さ90㎜と持ちやすく食卓の上で存在感を感じられるよう仕上げました。高台に青海波文様を施した後一方には金を、もう一方にはプラチナを焼き付け、金の酒杯には日本の桜、プラチナの酒杯には松竹梅の盛絵を施しました。萬古焼の盛絵は独自の不透明な色彩のもので含金のピンクに発色する腥臙脂に特徴があります。二度三度と盛り付けた後、得意とする草花の図にぼかし技法を加え、絵に深みを出しました。また、酒杯の内側のみ釉薬を使って白色に着色することで、日本酒に限らず各種お酒の色を美しく浮きだたせます。
「萬古不易」の絆を願い記念品や結婚のお祝い、ご夫婦の記念日の贈り物に。
- 萬古焼の名前の由来となった「萬古不易」とは、「いつまでも変わらない」という意味です。永遠の絆を誓う結婚や長年連れ添ったご夫婦の記念日などにペアの酒杯の贈り物はおすすめできます。たとえば結婚9年目は陶器婚式、結婚20年目は磁器婚式とされています。陶器と磁器の両方の性質を併せ持つ繊細にして強い萬古焼は、いつまでも変わらない強い絆を表す記念の品になります。華やかな金とプラチナ杯を手に、大切な記念日をお祝いするのも格別です。
300年祭に向けて、 萬古焼の魅力を広く伝え、世界中で愛される焼き物にしたい。
- 来年に萬古焼創始者生誕300年祭を控え、国内の活性化はもちろんのこと、日本の伝統文化を海外へ発信し、急須や酒器などをお茶や日本酒などと共に広めていきたいと考えます。日本の工芸品の多くは優れた機能性、機能美を持ちながらもそれが認知されずにいることが多く見受けられます。萬古焼も例外ではありません。以前、ミスインターナショナル入賞者のみなさんが私共の工房で陶芸体験及び手づくり会食を楽しんで行かれた際、見た目だけではわからない萬古焼の優れた性質、特徴も理解され、日本の匠の技と知恵に感心されていました。人々に深く、広く伝えていくことで、これから先も継承すべき技を守っていくことができるものと確信しています。陶芸を核に日本の伝統産業、伝統技法の素晴らしさを伝承していく機会をさらに増やし、世界中で愛される焼き物になれるよう努力していきたいと思います。萬古焼は300年近くの歴史を有していますが、まだまだ萬古焼を知ってもらっている方も少なく、ぜひお手元にご愛敬いただきご支援をお願い申し上げます。
制作者プロフィール
- 清水醉月
制作者は、明治時代から継続されている萬古焼に携わる醉月陶苑当主の三代目清水醉月氏です。
昭和19年生まれ。現在までの半世紀、作陶に情熱を傾け続け若き頃から様々な挑戦を繰り返しています。全国規模の公募展では日展、日本伝統工芸展などに出品。日本伝統工芸展には28回入選しており、東海伝統工芸展の審査委員でもあります。また、醉月氏の妻であるきし代氏は40年近く上絵付に専念し、盛絵技法の第一人者として後継者育成にも携わっています。ご子息のお二方も家業の後継者として活躍しています。
三重県文化大賞・四日市市文化功労賞・四日市市産業功労賞・伝統工芸士・日本工芸会正会員 仕様について
- 伊勢志摩サミットワーキングディナー乾杯仕様杯ペアセット
【製法】萬古焼
【サイズ】 ◎口径:80mm、高さ:90mm
【重量】 ◎ 重量:約150g
【装飾】 ◎①青海波文様・金の高台、桜盛絵
②青海波文様・プラチナの高台、松竹梅盛絵
【製造地】 ◎日本(三重県四日市市)
【納期】 ◎ご注文いただいてから3ヶ月後の納期となります。
※作品はすべて手作りのため、寸法、重量には多少の誤差があります。
安倍昭恵首相夫人が栽培した下関の山田錦を使い、復興と平和を願い会津若松で仕込んだ限定酒、「やまとのこころ」。G7伊勢志摩サミットでも振る舞われました。
- 安倍昭恵首相夫人が首相の地元山口県下関で開いている「昭恵農場」で育てられた酒米「山田錦」を使った純米大吟醸で、震災の風評に苦しむ会津を応援しようと 会津若松市の末廣酒造で仕込んだものです。長州の米と会津の水の合作により、フルーティーな香りと上品な味わいの日本酒に仕上がり、G7伊勢志摩サミットでも振る舞われました。製品のラベルは昭恵夫人の直筆。桐箱の中に山田木綿織元の会津木綿で包まれています。
仕様
- 純米大吟醸「やまとのこころ」
【容量】 ◎720ml
【製造地】 ◎日本(福島県会津若松市)末廣酒造
【納期】 ◎ご注文いただいてから3ヶ月後の納期となります。